Japanische Klassiker mit Furigana
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また、いえ
又、家
宮本 百合子
Lesen Sie 又、家 (また、いえ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.120 Zeichen · 13 Bildschirme
然し、次第に調節がつき、物価が下落して来るにつれて、左様云う人々は、段々市内に戻って来たらしい。不便な処へ、盗難は保証されない。その上、可成、田舎らしくない金をとる家は、しめる、曲るで病気にもなりかねない。住む人に見すてられたような住宅は、目黒、上大崎辺に随分在ったらしい。広告などに出るようなのは、大抵地名を見ただけでも興味を持てない其近辺が多いのである。
又暫く気を揉まなくてはなるまいとは、二人の覚悟したことであった。容易に、都合よい家などのあるものではない。
どうせ、長く居る積りで越すなら、
第一、此那俥も入らない処ではない場処、
第二、此那下等な小供の騒しくない場所。
そして、電車が、うるさくない程度で近くありたいと云うのが、我々の共通な希望であったのである。
前の章に書き落したが、此辺の子供のひどいと云っては、話にならない。
庭の崖下には、棟割長屋が、詰って居る。其処に各々の巣を持つ小供等が、午後三四時頃、学校が引けると、天気さえよければ、うちの板塀の外の一隅で遊び始める。下へ降りる段々の踊場とでも云うべき一坪程の平らな場所から、ずっと、自分等の家の屋根、彼方此方の二階、曙町の方の西洋館の窓々や森等の見晴らせるのが、子供等にはさぞ嬉しいのだろう。