Japanische Klassiker mit Furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Lesen Sie 反抗 (はんこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.121 Zeichen · 282 Bildschirme
拠り所のない絶望的な真摯な心地になっていた。
二十
周平は、二階の室と階下の室との間を、しきりに往来するようになった。二階に一人で寝転んでいるかと思うと、ふいに階下へ下りてきて、火のない長火鉢の前にぼんやり坐ったり、針仕事をしてる保子の前につっ立ったりした。保子や隆吉を相手に珍らしくいろんなことを饒舌ることもあった。かと思うと、俄に黙り込んだり、または二階へ上っていった。暫くするとまた階下へやって来た。滅多に外へは出なかった。――そういう自分自身を、彼は自ら意識した。そしては更に、投げやりの頼りない気持に陥っていった。どうしようという気は殆どなかった。どん底に落着いたような自棄的な心だけが、いやに真剣になっていた。
「少し外に出てごらんなさいな、朝晩はいい気持よ。」と保子はよく云った。
「ええ。」と周平は答えたがやはり出かけようともしなかった。
保子は彼の眼の中を覗き込んだ。
「あなたはこの頃よっぽど変よ。私達の留守中に何かあったのね。こないだ泣いてたのもそのことでしょう。包まず云ってごらんなさいな。一人で考え込んでるよりも、云ってしまった方がさっぱりしていいものよ。