Japanische Klassiker mit Furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Lesen Sie 反抗 (はんこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.121 Zeichen · 282 Bildschirme
た。周平は二つの心に相対したような感じを受けた。一つの心は、思いやりのない得手勝手な冷かなものだった。も一つの心は、個人と個人との境界を無視した温い抱擁的なものだった。
「自分に対する保子の心は、二つのうちの何れなのかしら?」と周平は考えた。考えようによって、どちらにもなりそうだった。彼はその間の去就に迷った。さりとて、両方だときめるのは、今の場合彼にはつらかった。彼は保子から、冷淡か温情かの何れかで遇して貰いたかった。峻烈な批判を加えられるか、或は温く抱擁されるか、何れかでありたかった。
「それは兎に角、自分は忘恩者でありたくない、」と彼は、問題をそのまま抛り出して、別な結論に辿りついた。そして、夫人へはこのままでいいとして、横田氏へは一言感謝の意を申して置きたかった。
周平は、水曜の午後少し遅く出かけていった。
横田は、週に四回商科大学で語学を講じていた。然し彼は元来文学者だった。折にふれて新聞雑誌に、外国文学の紹介をすることなどもあった。未来は批評を以て立つつもりだった。それで彼の周囲には、文学を愛好する青年の小さな群が出来ていた。その連中がいつとはなしに、水曜の午後から晩へかけて、横田の書斎に集ることになっていた。