Japanische Klassiker mit Furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Lesen Sie 反抗 (はんこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.121 Zeichen · 282 Bildschirme
保子
井上周平様
追白――この手紙は横田にも見せました。……私はあなたをお訪ねしたく思っていますが、それも止します。……当分のうちお互に手紙も差控えましょう。……あなたが私を信じて下さるように、私はあなたを信じております。お互に正しい途を進みましょう。
周平は夢中に読んでしまってから、暫く惘然とした。いつもの保子と違って、いやに丁寧な調子だった。けれどやがて、其処に真剣なものが感ぜられてきた。彼ははっと我に返ったようになって、また手紙を読み返した。手紙の一句々々が胸をしめつけてきた。
それは、歔欷を通り越した一種の幻惑に似た気持だった。黒目の大きな澄みきった眼付が、じっとこちらを見つめていた。彼は如何に深く保子を恋していたかを知った。また、その保子が如何に自分から遠く離れてしまったかを知った。そして、其処で頭の働きが止って動かなくなった。
彼はぼんやり起き上った。機械的に食事をした。それから外に出た。世界が異ったような気がした。黄色い光りが一面に空から落ちていた。この上もなく静かだった。
彼は日向を選んで、長い間ぼんやり歩き廻った。いくら行っても、日の光りが十分でないように思えた。