Japanische Klassiker mit Furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Lesen Sie 反抗 (はんこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.121 Zeichen · 282 Bildschirme
「すると、一人よがりの独断なんかも尊いということになりますね。」
保子は眼を見張った。
「ああ、あなたは理屈で考えてるから駄目よ。私の云うことがちっとも分っていないのね。例えて云うと……あなたは恋をしたことがあって? あれば分る筈だわ。」
周平は黙って保子の眼を見入った。保子は眼を外らさなかった。周平は急に不安になった。咄嗟に云ってのけた。
「それじゃ、奥さんは今でも恋をなすってるんですか。」
云ってしまってから、彼は顔が赤くなるのを覚えた。自分の言葉の馬鹿げた頓馬さよりも、それを妙に笑えない気持が、ぴたりと胸にきた。
「まあ何を云うのよ!」と保子は云った。「もうあなたとは話をしない。」
周平は顔を挙げた。保子は口を尖らしてつんと横を向いていた。その怒った様子を見て、彼はほっと助かった気がした。この場合、冗談や皮肉を浴せられるよりも、腹を立てられるのが一番心安かった。然し次の瞬間に、彼女の眼付が笑ってるのを認めた時、彼はどうしていいか分らなくなった。自分自身が醜く惨めに感じられた。
そして、保子の側を離れて一人になると、その気持からしきりに脅かされた。