Japanische Klassiker mit Furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Lesen Sie 反抗 (はんこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.121 Zeichen · 282 Bildschirme
「それきり覚えていない。」
周平はその眼をじっと見入った。そして云った。
「本当?」
隆吉は眼をくるりと動かした。口を尖らし小鼻を脹らまして、泣き出しそうな顔をした。
「井上さんはいつでも、僕の云うことをなぜ嘘だと思うの。」
「嘘だと思ってやしない。」と周平は答えた。
「だって……。僕は嘘をついたことは一度もないんだのに……。」
「だから嘘だと思ってやしないよ。」
二人はそれきり黙った。隆吉は机の方へ向き直って、書物をこそこそ弄りだした。暫くするとまた振り返った。然し周平の黙りこくってる様子を見て、再び机の方を向いた。周平が居る間は、することが無くても、兎に角勉強の時間ときめてるらしかった。それがまた周平には不快だった。いい加減辛抱した後、彼はぷいと立ち上った。
然しその後で彼は、自分の態度を自ら責めた。横田ら二人の好意に報いるには、出来るだけ隆吉に親切を尽してやるべきだった。今の場合彼にとって、月々の二十円は非常に有難かったのである。
十一
漢口の水谷から送ってくる僅かな学費は、ともすると途切れがちだった。向うの店に行って働くことを断った後、そういう決心ならばといって無条件に恵んでくれる志だっただけに、こちらから催促するわけにはいかなかった。