Japanische Klassiker mit Furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Lesen Sie 反抗 (はんこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.121 Zeichen · 282 Bildschirme
周平は吉川の日記を幾度もくり返し読んだ後、更にそれを手早く写し取った。それから用心のために、写したものは自分の下宿へ行ってしまって来た。ひどい精神の疲労を覚えた。そして、何だかこのままでは治りがつきそうもない気がした。それでも構うものかと思った。ぶつかるものにぶつかっていけと心を定めた。
彼は二階の室に寝転んでばかり日を過した。朝といわず夕方といわずすぐにうとうととした。かと思うとはっと眼を覚した。頭がぼんやりしていた。それが夜になると、いやに頭のしんが冴え返った。吉川のことが自分の心の中のことであるような気がしてきた。その半ば自棄的な気持の底から、彼はいつのまにか保子のことを考えていた。眼の前に彼女の姿を浮べていた。遠い過去の恋人ででもあるかのように、その姿を彼はじっと眺めた。しみじみとした哀愁の念に囚えられた。そしては、またはっと我に返った。
この哀愁の心と、何物にもぶつかっていけという心と、そのどちらが本当の自分であるかを彼は迷った。どちらも本当の自分であるとすれば、も一つその上に立つべき何かがある筈だった。それを彼は見出し得なかった。しまいには絶望的な気持になった。