Japanische Klassiker mit Furigana
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とりかえしものがたり
取返し物語
岡本 かの子
Lesen Sie 取返し物語 (とりかえしものがたり) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.882 Zeichen · 28 Bildschirme
(拳を振り上げる)
源右衛門『事を別けて頼んでいるのに、どうしても通さぬと言うなら、腕立ては嫌いな源右衛門だが仕方もねえ。琵琶湖の浪で鍛え上げた腕節。押しても通るが、それで承知か』
法師達『何を小癪な』
(源右衛門と法師達と睨み合って詰め寄る。朝の勤行を終え、衆僧を従えて門内を通りかかった円命阿闍梨、立出る。)
阿闍梨『これ待て、一同』
(源右衛門、法師等、そこへ蹲る。)
阿闍梨『様子のほどは、略門内より覗い知った。源右衛門とやら、山科坊より親鸞影像を引取りに参りし由。大儀であるぞ』
源右衛門『恐れ入りましてござりまする』
阿闍梨『して、引換えの礼物ほ、確かと持参いたしたな』
源右衛門『はい。これでござりまする』(袖の包みより源兵衛の首を出して前に置く。)
阿闍梨『や、や、こりゃ真正の生首』
源右衛門『粗末の品ではござりまするが、手塩にかけて育てた忰。首の素性は確でござりまする』
阿闍梨『よもや、それまでは得為すまじと思いしに、まことに首を持ち来りしか。(暫時深き思い入れ。また思い返して)然し源右衛門、約束は約束。首の数は二つであった筈だが』
源右衛門『あとの一つは即ちこの首。