Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme

Aozora Bunko

現代日本文化のホントの悲劇がそこにあります」

私もそう思いました。悲劇だけでなく、恐怖もそこに在ると私は思いました。現代日本文化の恐怖です。恐ろしい陥没です。そうではありませんか。私はかつて夜汽車で一箱ほとんど全部の乗客が闇のカツギ屋の中に自分一人で乗ってひどい恐怖におそわれたことがあります。それは一身の安危に対する恐怖ではなく、もっと深くもっと強い、この人たちと自分の間には正常な意味で言葉が通じないという実感から来る恐怖でした。また、たくさんの狂人の中にまじって運動会を見たことがありますが、その時も笑い騒いでいる狂人たちの中に一人ションボリ立ちながら、私の感じた恐怖も、一身の危険というような事ではなくて、この人たちと自分との間に相互理解のカケ橋がさしあたり全くないという意識から来たものだったのです。二つながら、ただの単純な恐怖とはくらべものにならぬほど恐ろしいものでした。実は、二つながら、「なあに、こいつらは、普通の人間のことなぞわからんケダモノだ」と思いさえすれば、その瞬間からまるで恐ろしくもなんともなくなるような恐怖であるために、尚のこと、恐ろしかったのでした。