Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme

Aozora Bunko

仙太 へ? いえ、こんな、一両金なんどという大金を頂くこたあ、見ず知らずのあんた様から。

甚伍 なにさ、私も元はといえば百姓だ。いやいまも家にいる時あ、盆ゴザに坐る時よりゃ野良へ出る時の方が多いくらいのもんです。アハハ、いや、また、何かよくよく困って、村にいられなくなりでもした時には、道のついでに私んとこへもたずねておいでなせえ。そうよ、あの筑波を左の肩越しにうしろを見て南の方へドンドン下ってスッカリ山のテッペンが見えなくなった辺まで行ったら、人をつかまえて利根の甚伍左という大道楽もんの家はどっちだと尋ねなせえ。

仙太 え! じゃあんた様が甚伍左の親方様で!

段六 利根川べりの甚伍左様でがんすか! あの名高え!

甚伍 知っていなさるか? こいつは恥ずかしいな。じゃ、ま、急ぐから、ごめんなさいよ。(歩み去り、ジロリと土手下を横目で睨んでおいてスタスタ二人のあとを追って姿を消す)

(仙太と段六は礼をいうのも忘れてしまって茫然としてその後姿を見送っている――ウロウロしていた女房はもうズット先程から仕置場矢来の方へでも降りて行ったのか姿を見せない。向う側では既に百叩きは終ったらしく、時々人声がザワザワするばかりである)