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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme

Aozora Bunko

お前さん方にすれば今晩一晩の賑やかし、これっぱっちの寺や場がなくても、市あ栄えよう。お願えだ、貸元衆、今夜のところは、お見逃しおたのん申してえ。仕事を済ませりゃ、えり垢洗って出直して参りやす。おたのん申します。同じ無職の人間が口をきいていると思やあ腹も立とうが、そうじゃねえ。百姓の子が火のつくように泣いているのだ。皆さん衆の荒みあがり、それもホン一晩のところ、あっしに下すったと思わねえで、其奴等に恵んでやったと思って、今日のところあお見逃し下せえ、貸元衆、真壁村の仙太郎、恩に着ますでござんす。へい……(返事無し。その間、今井がこらえ切れずなって岩蔭から出て行きかける。加多も凹味から首を出して四辺を見る。と、既に無言で谷間の方、右手左手の三方から仙太を目がけて迫って来かかっている七八人の人の姿と、木立の間でギラリと光るドスが見られるので、加多片手をあげて今井に出るなと制する。物凄い空気だ。仙太、坐ったままジリジリと後すざりする)……おいらあ、斬りたくねえ、殺生はしたくねえのだ。人を殺したくねえ、きこえねえのか! おいら……。

(みなまでいわせず左手奥の木の下の闇の中から抜身、袷、すそ取り、たすき掛け、三十七、八の代貸元、下妻の滝次郎、バッと飛出して来る)