Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
……ちょいと泣き止んでいたお咲がまた泣きはじめる。びっくりして歩き出すお妙。無理に笑ったりしたために却って一層悲しくなってしまい、流れ出る涙を袖で拭きながら、何をいう元気もなくなって無言で……間。……三度大砲の音)……え? なあに? ウマウマ、そう、……困ったねえ、ウマウマ? オッパイ? ……お乳が欲しいのね。……いいわ、じゃ(とお咲をソッと背から胸の方へ抱え直して襟を開ける)さあ……(四辺を見廻して)恥ずかしいねえ。いいわ、さ。おお、くすぐったい。(乳房にかぶり付いたお咲、チョッと泣止むが直ぐに乳が出ないのでジレて、それを離してけたたましい泣声をあげる)出ない? そう、困ったねえ。あああ、……ね咲ちゃ、私が頼むから泣かないで、お前が泣くと私も泣きたくなるのだものを。後生だからね、咲ちゃ……(弱り切った彼女の眼に仏壇が見える)それではマンマさんに頼んで見よう。それ(仏壇の前へ行き、沢山立っている位牌の中を捜して一つを前に取出す)それ、これが咲ちゃの母ちゃんだ、お寺様にお頼みもしなかったので戒名もついていない。母ちゃんよ、ようく拝むのよ咲ちゃ、私は一人ボッチでここにいます、ハシカが悪い、食べるものもない、嬢さんのお乳は出ない、母ちゃんが死んでも私のことをどこかで見ておいでならば、早くキイキを治して下さるよう