Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
いいえ嬢さま、あんた口をきいてはならねえ。一言でも口をきいたが最後、かわいそうになってしもうて、またぞろその子ば引取ってしまうのは、あんたの気性では、わかり切ってるで。口きいちゃなりませんぞ。これ、何という方か知らねえが、ここへくるのはよくよくのことだろうけんど、どうぞまあお断り申します。現在十一人の子供衆だけでも嬢様あ朝夕泣きの涙の絶えたことがねえ、この上に子供衆がふえたらば、嬢様あ、死んでしまいなさるて。それでは、あんまりムゴイというもんだ。ここんところは推量して、つらいこんだらうが、そのお子はそちらで育てて下せえ。さあさ、頼むから何もいわずに引取って貰いてえ。(と男を押戻しにかかる)さあさ、頼みだ。
男 (段六から胸を押されても動かず)おい、真壁の仙太郎を出してくれ!
段六 ふえい! な、な、なんだって! (お妙もエッと言って、二人、驚いて男を見詰めている)
男 驚くことあねえ。真壁の仙太を出せというのだ。
段六 (急には返事もできず、お妙と顔を見合せたり、男をマジマジ見詰めたりした後)……へえ。……お前様、どなたかねえ?
男 どなたもこなたもあるものか。