Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
それと間髪を入れず裏戸口を突開けてなだれを打って飛込んで来る人々。天狗党の士達か、捕方ででもあるかと思っていると、そうではなくて附近の住民の百姓達と、この屋敷内の納屋に騒ぎを恐れて避難してきていた老人、女、子供達の十人ばかりである。「アーッ、天狗だあ!」「助けてえ!」「嬢さまっ!」「アレ、アレ、来たっ!」「お助けなすってえ! 嬢さまっ!」等短い叫声をあげながら、土間の右手竈の辺へダダッと転んだりして一かたまりになって殺倒し、おびえた眼で戸口を見る者、お妙を見る者。お妙がツカツカと上りばなに進んできて、これら見知りの人達に「どうしたのでえす?」とか何とかを言おうとしかけるが、口をきく間も無く、人々の踵を踏まんばかりに無言でドヤドヤと戸口から入ってくる暴徒六人。士らしい服装の者あり、浪人らしき者、士とも町人ともつかぬ様子の者、博徒らしい者、中の一人は坊主頭で、ころもを着ている。六人の中、四人までがドキドキするような抜刀。他の一人は槍を、もう一人は竹槍を突いている。入って来るなり何もいわずに家の中をギロギロ見廻し、ガタガタ顫えている段六、恐怖の極、叫声も立てなくなっている避難民達、上りがりまちに二人の子を抱いて立っているお妙を暫く睨みまわす。