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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme

Aozora Bunko

(遠くで犬が吠えている)そうだろうじゃないか。全国各藩がそれぞれの利害に依って動いているのがいかんといったような意見らしいが、私などの考えでは、それが当り前。「どうせ人のする事だ」そして人間というもの、どこまで行っても腹の中まで綺麗にはなれぬものだ、それが人間さ。要はその利害打算に依る動きが大局にどんな具合にひびいて行くかという点。どうせ、天下をかけてのバクチじゃ、初めからバクチと承知していれば、丁の目が出ても半の目が出ても、取っても取られても、何もツノメ立つことはない道理。なあ甚伍、どうだ?

甚伍 ……へい。……

吉村 早い話が、只今の筑波と長州との口約云々のことにしてからが、私などの考えでは初めから長州にはその約を果すだけの誠意があってのことかどうか。薩州土州あたりを牽制するため、併せて何かとジタバタする水戸有志を自然自滅に導くための方策とも、まあ、取れば取れぬことはない。ハハハ、長州には智恵者が多いて。ハハ。

兵藤 何といわれるか?

吉村 いや、まあ話がさ。そうだといっているのではないのです。ハハハ、そうそう一本調子に綺麗ごとにばかり眺めると往々にして事の真相は見えぬと申すまで。