Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
も屯集している山中。
その本営から少し離れた台地。ここは山の風蔭になっていると見えて積雪はさまで深くない。左奥は暗い断崖に終っている。右手に谷より登って来る小道。正面奥は谷に開け、その空を一杯に鉢伏山の姿がふさいでいる。
誰も見えず、静かだ。離れた本営の方からドードードーと響いて来る陣太鼓の音。
暫くして、右手から出てくる加多源次郎。敗走軍の惨苦が一目で見られる姿――硝煙によごれ、所々破れたり血痕のある小具足に足だけに雪ぐつ。身内にどこか傷を負っているらしく青ざめて足どりもシッカリしていない。中央近くまで来て立止り、足元の雪を一掴みしゃくってガブリと口に含み、ウムと唸声みたような声を一つ出してから、手に持っていた陣刀を雪中に突いて、それに両手でよりかかるようにして黙って前の方を見ている。
奥のはるかな、谷の辺から弱く尾を引いてオーイと何かを呼んでいる声。
加多の出て来たところから、つづいて水木(前出)が抜刀を下げたなり、背後を振返りながら出て来る。これも加多に似たような身なりだが、傷は負っていないらしく比較的元気である。左手に鷲掴みにした二三個のサツマ芋を生のままがりがりかじりながら、しきりにうしろ――右手奥を気にしつつ加多に近づく。