Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme

Aozora Bunko

加多 仙太郎!

水木 (小銃を掴んだまま右手から走り出て来る)これでよし、貴公に任せておけば、いつのことになるやらわからぬ。

加多 (怒っている)水木さん、なぜそんな早まったことを! 今日まで相共にあれだけ働いてくれた同志を遇する法でない!

水木 馬鹿を言いたまえ。事は急を要するのだ。当人もこの方が楽。さ、これを谷へ。手を借したまえ。(仙太郎の両足を掴んで雪の上を引きずって左手の崖へ持って行きかける。そのためヒョイと眼を開いた仙太郎、畜生っ! と叫んで両足で水木を蹴倒す)

仙太 (手負いの体をもがきながら、刀を抜いて二人を防ぎつつ狂ったように叫ぶ)畜生っ! ひ、ひ、人をだましやがって! き、貴様達それでも男かっ! それでも士かっ! い、いいや、そ、それが士だ! だましたな! だましたな! 犬畜生っ! い、い、命が惜しいと、だ、だ、誰が言ったんだ! そ、それを、い、い、いまさら、だましやがって! き、貴様達士なんぞ、人間じゃねえ、に、人間じゃねえ!

水木 黙れ! 黙らぬか! 加多っ! (抜刀、斬り下ろす)

加多 (これも抜刀するが、斬り下ろしかねながら)仙太、どうか死んでくれ!