Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme
そして忘れてならぬ点は、「ほとんど無意識に、盲目的に」そこに立っていたという事である。書かざるを得なくなって小説を書いた。言うならば「描かないと死ぬから」(ゴッホ)書いた。小説としての出来不出来を考えたり、いわんやそれが世間や文学界からどんなふうに受取られるかを考慮したりする余裕は無かった。すくなくも、そのような事よりも、いや、そのような事をも、いっしょくたにして、端的に燃えあがった。深く強い本然から書いた。それが期せずして、高い立場に彼等を立たせたのである。
そこまでは、よかった。あとが、だんだん、おもしろく無くなって来る。というのは、ほとんど無意識のうちに、そこに立ち得た彼等に、「意識化」が、その後、あまり起きていない。自分が立ち得た立場、自分が取り得た態度――即ち自我と自分の作品との関係の本質や、その自我を自我としてかくあらしめている社会(集団)との関係の本質――を客観的に理解し、つかみ取り、自分の中に定着するという事を彼等はほとんどしていない。つまり、自分が無我夢中のうちに確保し得た「陣地」が、自分にとって、又、他にとって、客観的にいかなる陣地であるかを知ろうとしていないのである。