Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうふのきせつ

叢書名著の復興1 恐怖の季節

三好 十郎

Lesen Sie 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.544 Zeichen · 508 Bildschirme

Aozora Bunko

仙太 (これも笑いながら段六の肩をこづく)あによして! 鍬を握って構えたなあ、誰だっけかよ? 真壁段六公、耳は遠くなっても、腕に年は取らせねえてね!

段六 アハハハハ、何をいうだい、阿呆め! (二人は互いに肩をこづきながら稲田に入り、笑いながら仕事にかかる。)

滝三 お父う、だども、普門院の方が、あんだか騒々しいが、あれで全体――。

仙太 ええて。放っとけ。立っていねえで、黙って仕事だ、仕事だ。(滝三も右奥を気にしいしい田に入る)

段六 滝、お咲坊のことが心配かの?

滝三 あによいうだい、伯父さ! こん野郎!

(三人笑いながらかがみ込んで泥掻き。……間。静かである。右奥遠くで微かに人々の罵り騒ぐ声々。稲の中から立ち上る滝三)

滝三 (右奥遠くを眺めながら)……お父う、何だか変だ。……(誰も返事をしないので)お父う、んじゃ、鎮守さんへ行くのか?

仙太 (声だけ)うむ、そうしべえ。

滝三 普門院へも皆で行ぐのか?

仙太の声 あれは、俺一人でもよかろうて。(水の音)

段六の声 滝、あによ突立っているや? (いわれて滝三もしゃがみ込む。三人の泥掻きの水音。静かだ。――永い間。