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Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

「あッ。いけませぬ! いけませぬ! そればかりは、どなたにも見られてはならぬ品でござりますから、お手渡しくださりませ! お手渡しくださりませ!」

取られたことをはじめて気がついて、若者がにわかにおどろきうろたえながら、必死に奪い返そうとしたものでしたから、いっそう疑惑のつのった右門が、どうしてそれを許すべき――。少し手荒なしうちとは思いましたが、この一品になにもかも事の子細の秘密がかくされていると思いましたので、十八番の草香流をちょっと用いて、なるべく痛くないように、だがけっして抜き取ることのできないように、術をもって若者の両手をおのがひざの下に敷いておくと、すばやく紙入れを改めました。

けれども、予期に反して、その紙入れの中にはただ一本の銀かんざしがだいじそうに忍ばされてあるばかりでした。何か子細をかぎ知りうるような女からの艶文だとか、ないしはまた誓紙証文とでもいったようなものでもありはしないかと、心ひそかに予期していたのでしたが、ただ一本銀のかんざしがすべてのなぞを物語っているように、奥深く隠されてあったばかりだったのです。だか、その銀かんざしがなみなみの品ではないので、珍しい紋がきざまれてありました。