Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
しかし、ほかにどこにも要求のなかった右門には、むしろ大年増であったことが偶然中のさいわいで、いうまでもなく年増であることは、それだけ廓の内に長いこと住み古した事情通であることを物語っていましたから、心中喜びながら、まず何はおいてもしゃべらすための鼻薬にと、惜しげもなく小判一枚を祝儀にふるまいました。
揚げ代金が二十文だとか三十文だとかいわれていた安値の時代に、天下ご通宝の山吹き色一枚は、米の五、六石にも相当する大金でしたから、年増の小鼻を鳴らしたことはもちろんのことで、でれでれともう右門にしなだれかかろうとしたのを軽くあしらっておくと、静かに質問の矢を放ったものです。
「ちと異なことを尋ぬるがな。そなたはこの廓五町内のうちで、達磨のおもちゃとか、達磨の紋様を特別に好む花魁衆を知ってはいぬか」
今ぞはじめて知らるる、わがむっつり右門のこの一郭に、ぶこつをひっさげておじけもなくやって来たそもそもの心中は、まこと前夜の首をつりそこなった若者の懐中からとび出したところの、あの達磨の紋様打ち彫りぬいた銀かんざしを愛用していた女の探索にあったので、しかるに偶然中のさいわいなことには、安手の、軽口屋らしい年増女は、果然事情通であったことを証拠だてて、右門のその質問をきくと、一瞬の考えまどう様子もなしに、すぐと答えました