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Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、右門は目をほそくしながら、伝六ではなく、そこのおやじに、ごく上のきげんでいったものです。

「ほう。あなごばかりと思ったら、こっちの蛤のほうもなかなかの味だな。この梅雨どきに、これほどの薄酢だけで、かくもみごとな味をもたせる腕まえは、どうして江戸随一じゃ。これからもちょいちょいやっかいかけに参るによって、よく顔を覚えておきなよ。あなごと蛤をまたたくうちに二十平らげたおおぐらいの男と思ってな――」

そして、満腹そうに炮じ立ての上がりばなを喫しながら、小ようじで並びのいい歯の上下をさかんにせせくっていましたが、ちゃらりとそこへ小銀を投げ出すと、のどを鳴らしながらも手を出しえないほどに、もうさっきからひとり気をあせりきっていた伝六のほうへようやくにふり返って、おどろくべきことをごくさわやかにいったものでした。

「だいぶ手間どらしたな。おかげでじゅうぶんの満腹、これでぐっすり昼寝もできるというものだ。じゃ、おれはこれからお小屋にかえってひと寝入りするからな。また、晩にでもなったら遊びにきなよ」

しかも、人を食ったあいさつをしたばかりではなく、ほんとうに八丁堀めがけてさっさと帰りかけたものでしたから、伝六のかんかんにおこってしまったのはむろんのことです。