Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

思ったとたんに、今度は天井裏で、げらげらという女の笑い声です。それがまたひと声ではなく、三声四声とげらげら笑いつづけていましたが、そのとき突然、ぺったりと何か天井裏から落ちたものがありました。あいにくと、そのぬるぬるしたやつが、床に落ちたこんにゃくのようにぶるぶると胴ぶるいしている伝六の首筋へぺったりと来たものでしたから、もうことばはないので――、きゃっといったきり、破れ畳の上へしがみついてしまいました。それがまぎれもなく生き血のかたまりであるということが伝六にわかったときは、真に意外!

「野郎ども、あわてるな! まごまごしていると焼け死ぬぞ!」

叫ぶといっしょに、右門がめらめらとそばの破れ障子に、すりつけ木の火を移していたときでしたから、震えながらも伝六がぎょうてんして叫んだのです。

「火、火、火事おこすんですか! このうちを焼、焼くんですか!」

障子に火をつけてぼうぼうとそれが燃えだせば火事に決まっているんだが、しかるにわがむっつり右門は、それが予定の行動のごとく、どんどんとうちじゅうの障子という障子残らずに火をつけて回ったものでしたから、伝六は伝六並みの鑑定を下してしまったのです。