Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
「な、伝六! きさま清水屋にお糸っていう小娘のあること知っているな」
「え? 知ってますよ。知ってますが、清水屋っていや米屋じゃござんせんか。お米ならもうとうにゆんべまにあいましたぜ」
「米に用があるんじゃねえんだ。娘のお糸に用があるから、ひとっ走りいって、ちょっくら借りてこい!」
「あきれちまうな。そんな小娘ばっかり集めなすって、鬼ごっこでもする気ですかい」
少しも右門のやることに予測がつかなかったものでしたから、正直一点の伝六が首をひねったのは当然なことでしたが、しかるに本人の右門のほうはいよいよいでていよいよ不審だったのです。ひと足先にお組屋敷へかえって、ゆうゆうと寝そべっていましたが、伝六が汗をふきふき米屋の小娘を伴ってきたのを見ると、急に目を細めながらいいました。
「ね、お糸坊。おまえこないだっから、おじさんが好きだといったな」
「ええ、大すきよ。絵双紙でみた名古屋山三そっくりなんだもの――」
この少しこまっちゃくれた下町娘は、もうよほど右門とはなじみとおぼしく、いささかもはにかみを見せないですぐと答えましたものでしたから、右門がいよいよ伝六の目を丸くするようなことを平然としていいました。