Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうか、なかなか禅味のある話でおもしれえや。蛇が出るか蛇が出るか知らねえが、じゃおれがひとつ当たってやろう」

すでになにか見抜いたところでもあるかのごとく、右門はまず一服というようにしみじみと茶をたしなんでいましたが、そこへ伝六が灯を入れて短檠を持ってきたので、すわり直しながら少年僧を手招きました。

すると、少年僧は恐るるけはいもなくちょこちょこと前へ進みながら、さすがは作法に育てられた仏弟子だけあって、活発にあいさつをいたしました。けれども、まだなんといっても頑是ない子どもでしたから、あいさつはあいさつであっても、少々ばかりふるった口上でありました。

「遠いところをよくいらっしゃいました」

つい平生お寺で人の顔をみたらそういえと教えられてもいたものか、主客をまちがえて主人の右門によくいらっしゃいましたといったものでしたから、むろんのことに思いやりのない伝六はぷッと吹き出しましたが、しかし右門は反対に、かえってそのむじゃきなまちがいが愛くるしさを添えましたので、目を細くしながら答えました。

「はいはい、これはどうもごていねいなごあいさつで痛み入りました」