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Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

曇って、美しい顔の色がだんだんとくらまっていきました。その顔の色で万策の尽きたことを知ったものか、伝六がそばから伝六なみの鬱憤を漏らしました。

「ちくしょうめ。相手にことを欠いて、また悪いやつが向こうに回ったものだね。ほかのだんななら、それほどくやしいとも、しゃくだとも思いませんが、あのあばたの大将にてがらされると思うと、あっしゃ江戸じゅうの女の子のためにくやしいね。どこの女の子にしたって、いい男にいいてがらさせるほうが、夢に見るにしたって、話に聞くにしたって、ずっといいこころもちがするんだからね」

まったくそうかもしれないが、しかし、あばたの敬四郎がたとい日本第一の醜男であったにしても、一歩先んじられたという事実はあくまでも事実なんだから、右門はそのきりっとした美しい面にほろ苦い苦笑をもらすと、やがて寂しくいいました。

「あした来な」

そして、ごろりそのまま横になってしまいました。

3

しかし、翌日はあいにくのじめじめとしたさみだれでした。わるいことには、その雨の日にかぎってまたちょうど勤番で、もちろん事件がその手にあったならば、勤番、非番の区別はないわけでしたが、知らるるとおりこの生首事件はかれの手に委嘱されたものではなかったのでしたから、非役のてまえとして、出仕するの必要がありました。