Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
同時に、片手で右門は相手の胸をさぐりました。――しかるに、やはり乳がないのです。右門とても年は若いのですから、むしろあってくれたほうが、その点からいったっていいくらいのものだが、やはり乳はないのです。
「バカ者め! 女に化けたってべっぴんに見えるほどの器量よしなら、若衆になっていたってべっぴんのはずじゃねえか。さ、大またにとっとと歩け!」
女でなかったことがべつに腹がたったというわけではなかったのですが、なにかしら少し惜しいように思いましたので、右門はそんなふうにしかりつけました。
――いうまでもなく、そのおでん屋の見込み捕物によっていっさいの犯人があげられ、いっさいの犯行が判明いたしました。長助殺し事件も、三百両紛失事件も、人さらい事件は申すに及ばず、ことごとくがそれら一団の連絡ある犯行だったのです。それら一団というのは、天草の残党、すなわち知恵伊豆の出馬によって曲がりなりにも静まった島原の乱のあの残党たちでした。南蛮渡来の玉乗りも、むろんその切支丹伴天連が世を忍んだ仮の姿で、岡っ引き長助を殺した直接の下手人は、催眠の術にたけていたおでん屋親子とみせかけているその両名でした。