Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme

Aozora Bunko

「――ついては、わたくしめにご官金壱百両ほどをお貸しくださりませ」

徳川もお三代のころ壱百両といえば、四、五年くわえようじで寝ていられるほどの大金なんでしたから、お奉行の目を丸くしたのは当然で――。

「そんな大金をまた何にいたす?」

ぎょっとしたようにきいたのを、右門はきわめておちつきはらいながら答えました。

「伊豆守様は当代名うての知恵者。その知恵袋をもってしましてもお始末がつかなくて、はるばるてまえごとき者までをもお召しでござりましょうから、これはよほどの重大事に相違ございませぬ。百両どころか、しだいによっては千両がほども必要かと存じまするが、あとあとはまたあとあとで急飛脚でも立てましょうゆえ、さしあたり百金ほどご貸与くださりませ」

「いかにものう」

おねだりをする人間が、じゃりを食ったり、鉄道を食べたりするような当節のお役人だったら、百両は夢おろか、穴あき銭一枚だって容易に出すんではないのだが、なにしろ、むっつり右門というわれわれの信頼すべき大立て者がぜひに必要というんだから、これは出さないほうがまちがっているので、さっそく奉行元勝が切りもち包みを四つ手文庫から取り出してくれたものでしたから、右門のそばで目をみはりながらきょときょとしていた伝六にそれを懐中させると、ただちに武州めがけてわらじをはきました