Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.431 Zeichen · 428 Bildschirme
うへッとばかりに声をそろえながら、塩だらのように堅くなりながら、こちこちとそこへ棒立ちになってしまいました。それをきのどくそうにながめながら、右門は天蓋の中から鷹揚にいいました。
「例のやつをご警戒中と思われまするが、このあたりはどなたのお屋敷つづきでござる」
「はっ、このうち四、五町がほどは、当家中一流のつかい手ばかりがお屋敷を賜わっていますゆえ、例のつじ切りめ腕ききばかりの藩士をねらう由承りましたから、かく宵のうちから一団となって、このかいわいを警固中にござります」
「それはご殊勝なこと、ずいぶんとごゆだんめさるなよ。では、ごめん――」
いうと、右門はことさらまた雪駄の音を例のように高めながら、ちゃらちゃらと向こう町のやみの中へ消え去ってしまいました。だが、まことに不思議です。二、三十間やっていくと、今まで高かった雪駄の音を突然ころして、ぴたりとそこの築地べいに平ぐものごとく身をよせてしまいましたので、伝六はいぶかって、首をちぢめながらささやきました。
「ね、――あいつが出たんですかい?」
しかし、右門はひとことも答えないで、じっと同じかっこうをつづけていたようでしたが、それから五分とたたないまもなくでした。