Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme

Aozora Bunko

「なんだとッ。やじうまたあ何をぬかしゃがるんでえ! 八丁堀の伝六親方を知らねえかッ」

まことに伝六の名声広大とも広大――といいたいが、実は八丁堀といった啖呵がものをいったとみえまして、通りすがりの伝馬船が倉皇としながら舳先を岸へ向けましたので、ふたりはひらりと便乗――まだ混乱のままでいる現場へこがしていってみると、しかるにこれがすこぶる奇態です。屋形がぶくぶくとやりだすと同時に、乗り合わせていた船頭はいうまでもないこと、もよりの舟からもいっせいに舟子どもがおどり込んで必死と水へもぐり、必死と流れを追って、三方五方から時を移さず救助を開始いたしましたのに、父先生の神宮清臣と介添え役の小童はすぐに揚げられましたが、どうしたことか、式部小町の琴女だけは、流れたものか沈んだものか、いまだに行くえ不明であることがわかりましたものでしたから、うろたえて促したのは善光寺辰でした。

「こりゃいけねえ! な、おい伝六あにい! どうやらおれたちだけじゃ手に負えねえようだから、早くだんなに知らそうじゃねえか!」

「待てッ、待てッ、そう騒ぐなよ」

「だって、何かいわくがありそうだから、おれたちがまごまごするより、早いところだんなの耳へ入れたほうがいいじゃねえか」