Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
「あたりめえさ。いくら辰が寸の足りねえ小男だからって、そうそうたわいなく気がふれてなるもんかい。いまに何かつかまえてくるから、声を出さねえでいてやりな」
いううちにも、奇声をあげて、しきりとニャゴニャゴやりながら、床下をあちらへこちらへと小さなからだを利用しつつはいまわっていたようでしたが、果然、いう声がありました。
「ちくしょうッ、ざまをみろ、もうのがさねえぞ! 兄貴、兄貴、あかりだよ、あかりだよ!」
なにものか捕獲でもしたとみえて、けたたましく言い叫びましたので、伝六が大急ぎに龕燈をとってきてさしつけてみると、こはそもいかに――さすがの名人右門も、おもわずぎょッとなりました。実際なんとしたものでありましたろう! 子犬ほどもあろうと思われるまっくろな黒ねこが、女の首を、いや、首ではない、女の髪の毛を、それも島田に結ったままの髪の毛を、あんぐりと、その口にくわえながら、牙をむかんばかりのものすごい形相で、らんらんと両眼を光らしていたからです。時刻が時刻のところへ、物がまた物でしたから、右門もぞくりとあわつぶだてながら、じっとややしばし見守っていましたが、しかし、そういう間にあっても、やはり、名人は名人でした。