Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
「かみつきますぜ」
「草香流があらあ!」
いいつつ、あごの辺へちょいとおまじないをすると、術の奥義にかかっては、いかな魔性の黒ねことてもたまりかねたものか、ぽろりと髪の毛を取りおとしましたので、ちかぢかとあかりをさしつけながら、裏へかえし、表へかえし、じっとややしばし見あらためていましたが、
「こりゃまた忙しいぜ」
不意にずばりといったものでしたから、目をぱちくりさせながら、さっそく十八番もののあいきょうぶりを発揮しだした者は余人ならぬ伝六でした。
「いやにねこめが必死とくわえていたようでしたが、まさかにかつおぶしでこしれえた髪の毛じゃござんすまいね」
「またとんきょう口を始めやがった。このにおいがわからねえのか。鼻の穴を洗い清めて、よくかいでみろよ」
「はてね。――こりゃべっぴんのにおいがするようですが、なんていう髪油でしょうかね」
「次から次へ、よくとんきょう口がきけるやつだな、これが有名な古梅園の丁子油じゃねえか」
「へへえ、この油が丁子油でござんすか。安い品じゃねえように承っておりますが、人形の髪の毛に、なんだってまた、そんなもったいねえまねをしやがったんでしょうかね」