Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
そのぶきみこのうえない幽霊風吹きなでる深夜の町中を、思ってみただけでも身の毛のよだつまっくろな怪猫が、怪しの髪の毛の油香を追い慕って、ニャゴニャゴと陰にこもった鳴き声をふりしぼりつつ、曲がるほうへ行くほうへつき従ってまいりましたものでしたから、むろんのことに伝六は生きたここちもないもののようでしたが、右門はかまわずにさっさと道を神田へ出ると、一路行き向かったところは、河内山宗俊でおなじみのあの練塀小路でした。
しかし、当時の練塀小路は河内山宗俊が啖呵をきったほどの有名な小路ではなく、御家人屋敷が道向かいには長屋門をつらねて、直参顔の横柄な構えをしているかと思うと、そのこちら側には願人坊主の講元があるといったような、士、工、商、雑居の吹き寄せ町で、そのごちゃごちゃと蜘蛛手に張られた横路地を、あちらへこちらへしきりに何か捜しまわっていたようでしたが、ようやくそこの鍵辻を袋地へ行き当たったどんづまりで、『都ぶり人形師――藤阿弥』と、看板の出た一軒を発見すると、どんどん表戸をたたきながら呼びたてました。
「起きろ起きろッ、戸をあけろッ」
徒弟らしい若者が、なにげなく繰りあけたその足もとで、いまだになおつけ慕っていた怪猫が、不意にニャゴウと鳴きたてましたものでしたから、若者のぎょッとなったのはいうまでもないことでし