Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
名人がごくなんでもないような顔つきをして、ごくなんでもないようにこごみつつ、ちらりそこの錠前トボソがおりる敷居の上のみぞ穴をのぞいていたようでしたが、と――、不意にからからと大きくうち笑うと、きくだにすっと胸のすくようなせりふをずばりと言い放ちました。
「なんでえ、いやに気を持たしゃがって、つまらねえ。これだから、おれあどうも欲の深い金満家とは一つ世の中に住みたくねえよ。欲が深いくせに、むやみとこのとおり、やることがそそっかしいんだからな。ね、おい、京人形のお大尽、もう蔵の中なぞ調べなくたって、天狗の正体がわかったぜ」
「えッ! じゃ、あの、三千両を持ち出したものは、やっぱり弥吉でござりましたか、それとも娘でござりましたか」
「だれだか知らねえが、おまえさんはたしかにこの戸の錠がおりていたといったな」
「へえい、二度も三度も、しちくどいほど申しあげたはずでござります」
「では、もういっぺんその戸を締めてみな」
「締めますよ。締めろとおっしゃいますなら、何度でも締めますが、これでようござりまするか」
「たしかに締めたな」
「へえい、このとおりピシリと締めましてござります」