Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうか! 尾州下りと聞いちゃ、犯人ゃその両国にちげえねえ。じゃ、例の駕籠だッ」

「ちぇッ、ありがてえ。もうこんどこそは、尾張様だろうと百万石だろうとこわかねえぞ。ちっと急がにゃならねえようだから、きょうは特別おおまけで、三丁じゃいけませんかね」

「どうやらまた晴れもようになったから、世直し祝いにかんべんしてやらあ」

「むっつり大明神さまさまだッ。じゃ、辰ッ、そのまにだんなのお召し物をてつだっておあげ申せよ。そっちの三つめのたんすが夏の物だからな」

言いすてると、伝六は早かごの用意。お公卿さまにてつだわさせた名人は、南部つむぎに浜絽の巻き羽織、蝋色鞘は落としざしで、素足に雪駄の男まえは、いつもながらどうしかられても一苦労してみたくなるりりしさでした。

5

かくて、前後三丁、景気よく乗りつけたところは、両国河岸の中村梅車なる一座です。時刻はちょうど昼下がりの八ツ手前――。今と違って、あかりの設備に不自由なお時代なんだから、しばいとなるとむろん昼のもので、表方の者にきくと、ちょうど四幕めの幕合いということでしたから、にらんだ犯人なる勘当宗助、はたして一座にいるやいなやと、ずかずか棧敷のほうから小屋の中へはいっていきました。