Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
「どちらに! 殿は、どちらでござります?」
「お下屋敷じゃ!」
「馬は?」
「これじゃ! てまえのこの鹿毛にて参れとのご諚じゃ!」
「心得ました!」
代わってひらりとうちまたがると、
「伝六。つづけよッ」
降りまさる雪の夕暮れ道を八条流の手綱さばきもあざやかに、不忍池の裏なる豆州家お下屋敷目ざして一散走りでした。
はせつけたのは、ちょうど暮れ六ツ。パッと馬を捨てて地上に降り立ったとき――、
「おう! 参ったか!」
ご門わきの茂みの中から、雪ずきんもされずに、降りしきる粉雪を全身に浴びたままで、待ちきれなかったもののようにつとお姿を見せたのは、だれでもない伊豆守ご自身でした。その一事だけでもがよくよく事件の重大事であるのを物語っているうえに、密事の漏れるのをはばかってか、側近の者をすらも従えず、ただご一人でお待ちうけしたので、名人の声はいよいよ震えました。
「よほどの大事と拝せられまするが、なにごとにござります?」
「一見いたさばあいわかる。こちらに参れ」
みずから先にたって、ちょうどそのとき、息せき切りながらはせつけた伝六ともども、名人主従を導いていかれたところは、いぶかしいことに屋敷のすみの一郭のお長屋でした。