Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme

Aozora Bunko

「おお! そうか! しかとわかった! いうな! いうな! あとをいってはならぬ! その者はどのような人相いたしているやつじゃ」

「四十年配の中肉中背で、左手の小指が一本ないやつじゃそうにござります」

「それだけわかっていればけっこうじゃ。――みなの者も人相書きのことを聞いたであろうな」

宰相伊豆守は、かたわらに居流れていた近侍の面々を顧みると、猪突に命じました。

「わからば、采女! そちが采配振って、火急に七、八頭ほど、早馬の用意せい!」

不思議な命令です。早馬を八頭近くも用意させて、いずこへ飛ばせようというのか! 浪人者と決まりますれば、御前の、あの――あとはご賢察願わしゅう存じます、といった御前のあの、というその「あの」なる「あの」はなんであるか?――よしわかった。いうな、いうな、あとをいってはならぬ、といったその「あと」なる「あと」は、いかなるなぞであるか?――。いつもながら、捕物名人と、名宰相とのやりとりは、まこと玄々妙々の腹芸ですが、しかし、ありようしだいを打ち割ってみれば、不思議でもない、不審でもない、名人のいったその、御前のあのなる「あの」