Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
「な、九重さま。あなた、わたしのひいき相撲に、断わりなしでご声援なさいましたら、そのままではほっておきませぬぞ!」
「汐路さまこそ口はばったいことをおっしゃりますな! 江戸錦はわたしのひいき相撲にござりますゆえ、めったなことを申しますると、晩にお灸をすえてしんぜましょうぞ」
といったようなぐあいで、いずれもまだ江戸錦その者にはお目にかかったことがないくせに、もう寄るとさわるとたいへんな評判でありました。
しかし、そこへいくと、さすがに将軍さまはお大腹で、江戸八百万石三百諸侯旗本八万騎のご統領だけがものはございます。江戸錦が染め物の名やら、秀の浦が干菓子の名やら、いっこうお気にも止めないで、余は暇つぶしにさえなればよいぞ、といったような、いたってのご沈着ぶりを示しながら、定めのとおり九ツのお城太鼓が打ち出されますと、右に御台、左にご簾中を従えさせまして、吹上御苑に臨時しつらえましたお土俵の正面お席にお着座なさいました。ひきつづいて現われましたものは、おなじみ松平伊豆守を筆頭に、いずれも今、世にときめいている閣老諸公たちです。それから、加賀百万石を禄高がしらの三百諸侯、つづいて美姫千名と注された、いずれ劣らぬ美形たちのお局、腰元、お女中の一群でありました。