Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
裏には伝とまたがったような字を書いて、中がまたみごとな金くぎ流でした。
「急用急用大急用だ。
伝六大事命があぶねえ。
すけだちに早く来ておくんなせえ」
何をあわてているのか、字までが震えて、紙一枚にべたべたと大きく書いてあるのです。
「なんだなんだ」
「なんじゃ!」
「なんでござるか、ろくでもないことかもしれぬが、参らずばなるまい。番頭、駕籠屋は表におるか」
「早く早くとせきたてておりますから、お早くどうぞ」
「そうか。では、参ろう。お先に……」
怪しむようにふり向いた同僚たちの目に送られながら、名人は不審に首をかしげて、迎えの駕籠にうちのりました。
同時に、さっと息づえをあげると、早い早い、よくよく伝六がせきたてて迎えによこしたとみえて、柳橋を渡り越えるとひた走りに浅草目ざしました。むろん、目ざすからには伝六のいるところも浅草だろうと思われたのに、あきれた男です。乗ったかと思うまもなく、駕籠の止まったところは、目と鼻どころか、柳橋からはひとまたぎのお蔵前でした。
おりてみると、往来いっぱいに黒山のような人だかりなのです。だが、不思議なことに、伝六の姿はないのでした。