Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme

Aozora Bunko

人手にかかったと思や、よけいふびんだ。ねんごろに預かって守ってやれよ……」

言い捨てて、さっさと歩きだしたかと見る間に、たちまちその場から名人十八番の右門流が始まりました。蔵前を左へ天王町から瓦町へ出て、そこの町かどのお料理仕出し魚辰、とあかり看板の出ていた一軒へずかずかはいっていくと、やにわにいったものです。

「何かうまそうなもので折り詰めができるか」

「できますが、何人まえさんで?」

「五人まえじゃ」

「五人まえ……!」

不意を打たれて、伝六、ぽかんとなりました。だいいち、仕出し屋へ来て折り詰め弁当をあつらえたことからしてがふにおちないのです。そのうえ五人まえとは、だれが食べるつもりなのか考えようがない。今のさき取りかたづけさせたあの五人の亡者にでも食べさせるつもりであるなら、さかな屋で生臭入りの弁当もおかしいのです。

「冗、冗、冗談じゃねえや。あっしゃもう……あっしゃもう……」

鳴りたくも鳴れないほどどぎもをぬかれて、さすがの伝六も目を丸めたきりでした。

しかし、名人はとんちゃくがない。

「ああ、できたか。ご苦労ご苦労。ほら代をやるぞ」

小粒銀をころころと投げ出して、両手にぶらさげると、やっていったところがまた不思議です。