Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
しかも、なにゆえの犯行か考えようがない。ホシのつけようもない。絞められた五人は船頭であること、土左舟で運んであの松へつるしたということ、わかっているのはそればかりです。
寝もやらず、名人はあごをなでなで、ひたすらに伝六の帰りを待ちわびました。
しいんとふけ渡って、秋なればこそ、そぞろに悲しくわびしく、なぜともなしに身が引き入れられるようです……。
一刻近い時がたちました。
しかし、来ない。
北鳥越、呉服橋、数寄屋橋と、三カ所順々に回ったにしても、もうそろそろ帰ってこなければならないはずなのに、どうしたことか、伝六がなかなかに姿をみせないのです。
さらに一刻がたちました。
だが、来ない。
足音もないのです。
「変なやつだな。また何か始めやがったかな……」
半刻がすぎ、一刻がたつ、いつのまにか屋の棟の下がる丑満もすぎて、やがてしらじらと夜が明けかかったというのに、いかにも不思議でした。足音はおろか、伝六の姿も影もないのです。
不安がにわかにつのりました。
しかし、やはり姿はない。
からりと夜が明け放れました。
だが、まるで糸の切れた凧です。
日があがりました。