Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
こっちへ来な」
そこの庭口のくぐりからはいって、こっそりと内庭へ回りました。
とっつきにごろったべやがあって、若い者のごろごろとした影が見える。
ポーン、ポーンとつぼを伏せる音がきこえるのです。
ひらりと上がって不意にそのへやへ押し入ると、静かに浴びせました。
「朝っぱらからいたずらしているな。松長はどこにいるんだ」
「…………?」
「パチクリしなくともいいんだよ。おまえらの親分はどこにいるんだ。うちか、るすか」
答えないで、若い者たちは、あっち、あっちというようにあごをしゃくりました。
「どこだよ。奥か!」
そうです、そうですというように、やはり答えないで、またあごをしゃくりました。
「変なやつらだな、まるで唖屋敷へでも来たようじゃねえか。どのへやだ。松長はここか!」
がらりとあけて、ひょいと見ると、松長がまったく案外でした。
年はもう九十くらい、くりくり頭に剃髪して、十徳を着て、まだ少し季節が早いのに、大きな火ばちへ火をかんかんとおこしながら、いかにも寒そうにちぢかんで両手をかざしているのです。
「おまえが松長だろうな」
「…………?」
「返事をしろ! おまえは松長じゃねえのか?」