Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme

Aozora Bunko

「来たくなったから急に来たのよ」

「なんてまあお気軽なおかたでござんしょう。でも、ゆうべお嫁さんをもらったばかりで、まだろくろく式も済まんじゃござんせんか!」

「だから来たのさ。店にいたんじゃ、わいわいとお客がうるさくて、自分のお嫁さんだか人のお嫁さんだかわからないからね。こっちへ逃げてきたら、しみじみと話もできるだろうと思って、こっそりやって来たんだよ。早くしたくをしておくれ」

「なるほど、そうでござんしたか。ほんにそのとおりでござんす。日本橋ではお客ばかりでゆるゆるおやすみなさるところもござんすまいからね。ええもう、こっちならば何をあそばそうと、目のあいている者はこのばあやばかりでござんす。そのばあやの目も、近ごろはとんと鳥目になりましてね。これはこれは、若奥さまでござりまするか、――お初にお目にかかります。いいえ、もう恥ずかしがるところはござんせんよ。お嫁にいらっしゃった晩はどなたもそうなんでございますからね。わたくしだっても、今はこんなに年が寄りましたが、昔はやっぱりお嫁にもいきましてね。そうですとも! ええ、ええ。万事このばあやが心得ておりますから、ちっとも恥ずかしいことなんかござんせんよ。