Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
帰ってきて、それとなく千萩の様子を見ますると、このとおりだんだんと年ごろになってはいるし、四年まえとはうって変わって、どことのう――」
「美しくなっていたゆえ、また未練が出てきたというのじゃな」
「お恥ずかしゅうござります。未練といえば未練でござりまするが、いいなずけの約束までした女じゃ、他人にとられとうはない。けれども気味のわるい長虫はいまだにやめぬ、――どうしたものかと迷っていたやさき、さいわいなことに、ここの寺はてまえたち一家の菩提寺なのでござります。千萩がまたこの寺へ毎夜毎夜へびのえさのねずみ取りに来ることをかぎ知り、こっそりとこの寺に寝泊まりしておりまして、このとおり、毎夜毎夜ころあいを見計らっては意見に来ますけれど、千萩は相手になってもくれないのでござります。こんなものの、こんな長虫のどこがかわいいのか。く、くやしくてなりませぬ。千、千萩めが、うらめしゅうてなりませぬ……」
美しいだけに、なお一倍千萩の長虫いじりがくやしくてならないとみえて、三之助はじわりと目がしらへ涙さえ浮かべながら、うらめしそうに、足もとのお櫃をにらみすえました。――目をおおい、おもてを伏せて、千萩も消え入りたげな忍び音をあげながら、しくしくと泣き入りました。