Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
「ね……! ね……!」
と、ただときおり首をひねっては、思い出したように焦心するばかり。
一夜がすぎて、同じようにつゆ上がりの霧の深い朝があけました。――その朝まだき。
「行ってこい!」
右門の唐突な命令が、不意に伝六へ下りました。
「早く行くんだよ」
「どこへ行くんですかい」
「おまえの兄弟分のところへ、大急ぎに行くんだ。きのうのあのお番屋へ行って、だれかに取り次いでもらえば会えるから、至急に駕籠で可賀をここへ連れてくるんだよ」
「…………」
「変にしょげているな。おまえらふたりがしゃべりだしたら、年の暮れでなくちゃ帰ってこねえかもしれねえ。いい気になってしゃべりはじめちゃいけねえぜ」
「あれにゃとてもかなわねえんです。だから、しょげもするじゃねえですか。なんとなく、おら、おもしろくねえや……」
とぼとぼと出かけていったその伝六が、駕籠をつらねて可賀ともどももどり帰ったのは、半刻とたたないまもなくでした。
「いや、これはこれは。またまたお名ざしのお呼びたてで、可賀、恐縮でござりやす。きのうお申し伝えのことをな――」
「ご披露くださりましたか」
「それはもうてまえのこと、そこに抜かりのあるはずはござりませぬ、さっそくに奥女中がた残らずへ吹聴いたしましたら、みな、みなもう――」