Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

こどものかなしみ

号外・少年の悲哀 他六篇

国木田 独歩

Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme

Aozora Bunko

ないと、武をして石井翁を説き落とさすつもりでいるのである。

彼は変物だと最初世話をしかけた者が手をひいた時分。ある日曜日の午後二時ごろ、武は様子を見るべく赤坂区南町の石井をたずねた。俥のはいらぬ路地の中で、三軒長屋の最端がそれである。中古の建物だから、それほど見苦しくはない。上がり口の四畳半が玄関なり茶の間なり長火鉢これに伴なう一式が並べてある。隣が八畳、これが座敷、このほかには台所のそばに薄暗い三畳があるばかり。南向きの縁先一間半ばかりの細長い庭には棚を造り、翁の楽しみの鉢物が並べてある。手狭であるが全体がよく整理されて乱雑なさまは毛ほどもなく、敷居も柱も縁もよくふきこまれて、光っている。

「御免なさい。」と武は上がり口の障子をあけたが、茶の間にだれもいない。

「武です。」とつけ加えた。すると座敷で、

「徳さんかえ、サアお上がり。」と言ったのが叔母である。

武は上がってふすまをあけると、座敷のまん中で叔父叔母さし向かいの囲碁最中! 叔父はちょっと武を見て、微笑って目で挨拶したばかり。叔母は、

「徳さん少し待っておくれ。じき勝負がつくから」と一心不乱の体である。