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Japanische Klassiker mit Furigana

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こどものかなしみ

号外・少年の悲哀 他六篇

国木田 独歩

Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme

Aozora Bunko

徳の本心を見ぬいている。そして仙人説で撃退はしたものの、なるほど、まだぴんしゃんしているのにただ遊んで食うているというのはほめたことではないように思われる。それなら何をする。腰弁はまっぴらだ。いなかに行って百姓でもするか。こいつはいいかも知れんがさし当たって田地がない。翁は行きづまってしまったので、仙人主義を弁護する理屈に立ち返ってしきりと考えこんでいると、どしりとばかり同じベンチに身を投げるように腰をおろした者がある。振り向いて見るや、

「オヤ河田さんじゃないか。」

先方は全く石井翁に気がつかなかったものと見えて、翁に声をかけらるるといきなり飛びたって帽をとり、

「コレはコレは石井さんですか、あなたとはまるきり気がつかんで失礼しました。」とぺこぺこお辞儀をする。そして顔を少しあからめた様子はよほど狼狽したらしい、やっぱり六十余りの老人である。

「まアお掛けなさい。そしてその後はどうしました。」

「イヤもうお話にも何にもなりません。」と、腰をおろしながら、

「相変わらずで面目次第もないわけです。」とごま白の乱髪に骨太の指を熊手形にさしこんで手荒くかいた。

石井翁は綿服ながら小ザッパリした衣装に引きかえて、この老人河田翁は柳原仕込みの荒いスコッチの古洋服を着て、パクパク靴をはいている。