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Japanische Klassiker mit Furigana

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こどものかなしみ

号外・少年の悲哀 他六篇

国木田 独歩

Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme

Aozora Bunko

がないのでもない。第一、河田さんはいくじがない。その証拠には、養子に行く前に深く言いかわした女があった、いよいよ養子に行くときまるや五円で帯の片側を買って、それを手切れ同様に泣く泣く別れた。第二に、案外片意地で高慢なところがあって、些細な事に腹を立てすぐ衝突して職業から離れてしまう。第三に、妙に遠慮深いところがあること。

なるほどそう聞かされると翁の知人どものいわゆる『理由』は多少の『理由』を成している。

けれど大なる理由がまだなければならぬ。人がもし壮年の時から老人の時まで、純然たる独身生活すなわち親子兄弟の関係からも離れてただ一人、今の社会に住むなら並み大抵の人は河田翁と同様の運命に陥りはせまいか、老いてますます富みかつ栄えるものだろうか。

翁の子敬太郎は翁とまるきり無関係で育ちかつ世に立った。そして二十五六のころ、八百屋を始めたが、まもなくよして、売卜者になった。かつ今は行き方も知れない。そして見ると河田翁その人の脈には、『放浪』の血が流れているのではないか。それが敬太郎へも流れこんだのではないか。

石井翁はむろんこういうことを考えて研究もせず、ただ気の毒がる仲間の一人ゆえ、どうにかして今の境遇も聞いてみたいと思い、古い事まで話題にしてみたが、河田翁は少しも引き立たない。