Japanische Klassiker mit Furigana
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こどものかなしみ
号外・少年の悲哀 他六篇
国木田 独歩
Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme
と手紙をふんだくるように取って「いいわ、そんな事をおッしゃるならこのお手紙をどっかへうっちゃってしまうから。」
「イヤあやまった、それは大切の手紙だ、うっちゃられてたまるものか、すぐ源公に持たしてやっておくれ。お蝶さんはいい子だ。」
「蝶ちゃんはいい子だ、ついでに人車を。」と客が居ずまいを直してあいづちを打った。
「田浦さん、はげが自慢にゃなりませんよ」と言い捨てて出て行った。
まもなく車が来て田浦は帰り、続いて大森も美麗な宿車で威勢よく出て行った。
午後四時半ごろになって大森は外から帰って来たが室にはいるや、その五尺六寸という長身を座敷のまん中にごろりと横たえて、大の字になってしばらく天井を見つめていた。四角な引きしまった顔には堪えがたい疲労の色が見える。洋服を脱ぐのもめんどうくさいらしい。
まもなくお清がはいって来て「江上さんから電話でございます。」
大森ははね起きた。ふらふらと目がくらみそうにしたのを、ウンとふんばって突っ立った時、彼の顔の色は土色をしていた。
けれども電話口では威勢のよい声で話をして、「それではすぐ来てください」と答えた。
室にかえるとまたもごろりと横になって目を閉じていたが、ふと右の手をあげて指で数を読んで何か考えているようであった。