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Japanische Klassiker mit Furigana

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こどものかなしみ

号外・少年の悲哀 他六篇

国木田 独歩

Lesen Sie 号外・少年の悲哀 他六篇 (こどものかなしみ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.584 Zeichen · 59 Bildschirme

Aozora Bunko

その笑いが尋常でないのです。生白い丸顔の、目のぎょろりとした様子までが、ただの子供でないと私はすぐ見て取りました。

「先生、何をしているの?」と私を呼びかけましたので私もちょっと驚きましたが、元来私の当時教師を勤めていた町はごく小さな城下ですから、私のほうでは自分の教え子のほかの人をあまり知らないでも、土地の者は都から来た年若い先生を大概知っているので、今この子供が私を呼びかけたも実は不思議はなかったのです。そこへ気がつくや、私も声を優しゅうして、

「本を読んでいるのだよ。ここへ来ませんか。」と言うや、子供はイキなり石垣に手をかけて猿のように登りはじめました。高さ五間以上もある壁のような石垣ですから、私は驚いて止めようと思っているうちに、早くも中ほどまで来て、手近の葛に手が届くと、すらすらとこれをたぐってたちまち私のそばに突っ立ちました。そしてニヤニヤと笑っています。

「名前はなんというの?」と私は問いました。「六」「六? 六さんというのかね。」と問いますと、子供はうなずいたまま例の怪しい笑いをもらして、口を少しあけたまま私の顔を気味の悪いほど見つめているのです。